川の防災 パート1 (出来事)

昨日の出来事

奈良県吉野川にて川下り(ラフティングツアー)のお手伝いに行ってきました。

 

ラフティングツアー中で道路からのアクセスが良く誰もが川に近づけるポイントでペットを連れた家族が、ホームセンターなどで購入できる1人乗りのビニールボートにワン子を乗せ遊ばせており、私の目の前(30m程は離れていましたが)で手からビニールボートを離してしまい、ワン子一匹が流されていく状況に。

 

家族はライフジャケット等身に着けていません。私は「自分が追いかけるので」と家族に声をかけ、私のお客さんに漕いでもらい追いかけました。手を離した場所は

奈良県吉野川のラフティングツアーでは最大級の瀬の入り口で、最後には流れが集まり水のパワーが増す場所です。

 

こんなハプニングが起こらなければ、何でも無いレベルですが岩にぶつかればその衝撃でラフティングの参加者が落水する可能性、ボートが岩に当たる角度によっては転覆の可能性もありました。ライフジャケットを付けていないワン子も落水すれば溺れ死ぬ可能性も充分にありえます。当然、そこをライフジャケットを身に着けていない人が泳ぐのは自殺行為です。

 

ワン子に追いついた時には、間もなく最後の流れが集まる場所までもうわずか、ワン子にこっちにおいでと手招きしても、怖がり動けない。無理に抱きかかえて、自分が噛まれてもと思うと強引な事が出来ず、ワン子のボートをエディに入れようとするもボートをコントロール出来ない状況では上手くいかず、もう最終の判断を下す時がきました。この間は10秒も有りません。

 

ワン子を見捨てる訳にいかない、参加者に怪我させれない。噛まないでと思いながら、ゴールデンリトレバーのワン子を強引に抱きかかえラフトボートに乗せ、参加者にはボートの中心に身体を寄せるように指示して、無事にその瀬を超え、直ぐに流れの穏やかなエディ(淀み)にボートを入れ岩の上の飼い主に手で円を書きOKサインを出し、川岸の岩場にボートを着け飼い主さんを見ると、早く私たちのボートにたどり着こうと言う気持ちから、川に飛び込んで来ました。

 

淀みの場所では有ったもののライフジャケット無しで泳ぐような場所では無く、瞬く間に頭がすっぽり沈み、後続から来た他のスタッフに「岸に上がれ!」と注意を受け岸に戻りました。

 

ワン子も飼い主も参加者にも怪我無く事を終えたのですが、何も無くて良かったじゃなく、川の事故を最小限に抑えるように情報を発信していく必要があるなと強く感じました。

 

あのワン子はもう恐怖で水に入れないだろうな。